宮脇淳子

公益財団法人東洋文庫研究員

プロフィール

1952年和歌山県生まれ。本名 岡田淳子。京都大学文学部卒業、大阪大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専攻は東洋史。公益財団法人東洋文庫研究員。

大学院在学中から、岡田英弘・東京外国語大学名誉教授からモンゴル語・満洲語・中国史を、山口瑞鳳・東京大学名誉教授からチベット語・チベット史を学ぶ。

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員、常磐大学、国士舘大学、東京大学などの非常勤講師を歴任。

著書に『満洲国から見た近現代史の真実』『世界史のなかの蒙古襲来』『中国・韓国の正体』『どの教科書にも書かれていない日本人のための世界史』『日本人が教えたい新しい世界史』『封印された中国近現代史』『真実の中国史[1840-1949]』『真実の満洲史[1894-1956]』『韓流時代劇と朝鮮史の真実』『モンゴルの歴史』『世界史のなかの満洲帝国と日本』『最後の遊牧帝国』など、共著も多数ある。

【履歴】
昭和27年(1952) 和歌山県に生まれる。
昭和43年(1968) 三重県立伊勢高校入学。
昭和46年(1971) 鳥取県立米子東高校卒業。
昭和51年(1976) 京都大学文学部史学科(東洋史学専攻)卒業。
昭和54年(1979) 大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了(文学修士号取得)
昭和54-56年(1979-81) 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所公募共同研究員
昭和57年(1982) 大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。
昭和57-58年(1982-83) 日本学術振興会奨励研究員。
昭和58-平成8年(1983-96) 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員。
昭和61-63年(1986-88) 日本学術振興会特別研究員
平成5-13年(1993-2001) (株)国際関係基礎研究所主任研究員。
平成9年(1997)-平成27年(2015) 東京外国語大学モンゴル語科・非常勤講師。
平成10年(1998)9-11月 国際交流基金の助成によりモンゴル国で「清朝時代モンゴル史料の共同調査」を行う。
平成12-16年(2000-2004) 常磐大学・非常勤講師。
平成17-24年(2005-2012) 国士舘大学21世紀アジア学部・非常勤講師。
平成20年(2008)2月 「モンゴル帝国以後の遊牧王権 モンゴル・オイラトの対立抗争とチベット仏教の受容」題目の博士論文により、東京外国語大学から博士(学術)号取得(55歳)。
平成28-29年(2016-2017)4-7月 東京大学教養学部・非常勤講師。
平成30年(2018)5月 昭和12年学会会長就任。
令和4年(2022)11月 モンゴル国政府から友好勲章(Nairamdal Medal) を授与される(70歳)。

講義一覧


大航海、資本主義、中国・ロシアの変容…モンゴルの重要性

モンゴル帝国の世界史(7)近代への礎をつくったモンゴル帝国

モンゴル帝国がユーラシアの大部分に及んだことで、後世にさまざまな影響をもたらした。その一例が中国の「省」である。また、モンゴル帝国時代に東西交易が盛んになったことが、のちの大航海時代にもつながり、ペストも資本主義もその時代にその源流があるという。世界史にとって、いかにモンゴルが重要であったか、改めて確認していこう。(全7話中7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


オゴデイ、フビライ…モンゴル帝国の継承争いと各地への影響

モンゴル帝国の世界史(6)モンゴル帝国、分裂へ

チンギス・ハーン亡き後、子孫の間で継承争いが起こるようになり、広大な領土が分裂していくことになる。そしてそれぞれの子孫は、のちのロシアやインドといった地域に残り続ける。ここではチンギス・ハーンによる継承国家の系図を見ながら、いかにユーラシア大陸の多くの地域がモンゴル帝国と関わりがあったかを確認していく。(全7話中6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


有力者を親戚関係にする親衛隊の仕組みと、末子相続の真実

モンゴル帝国の世界史(5)最大版図への道程

モンゴル帝国はなぜ戦争に強いのか。それは遊牧民ならではの特徴を生かした軍の仕組みがあったこと、そして帝国の隅々にまで人的ネットワークが築かれたことにあった。さらにチンギス・ハーンは、子どもや孫たちが争わないように進軍する方面を決めていたのだ――モンゴル帝国が最大版図を築くまでの背景を探る。(全7話中5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


千人隊、略奪品分配…最強モンゴル軍を生んだ単純な仕組み

モンゴル帝国の世界史(4)強さの秘密と全戦全勝の仕組み

なぜモンゴル帝国は圧倒的な強さを発揮したのか。その一つは、軍の編成がシンプルかつ把握が容易だったこと。そして、戦利品を兵隊のみならず全構成員にいきわたるようにしていたことにある。モンゴル帝国が全戦全勝を重ね、次々と力を持つに至ったその裏側を解説する。(全7話中4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


モンゴル帝国の急拡大の理由は「イスラム商人」と「神託」

モンゴル帝国の世界史(3)イスラム教徒の存在と「神託」

モンゴル帝国が世界帝国として一気に拡大した背景として重要なのは、イスラム教徒の存在である。東西交易の商業を担っていた彼らは、そのために必要な情報を持っていた。さらに影響が大きかったのが、チンギス・ハーンに降りた「神託」であった。モンゴル全体に強い力を生み出し、西へ西へと版図を拡大した背景に迫る。(全7話中3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


多民族の「モンゴル帝国」を築いたチンギス・ハーンの魅力

モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性

なぜモンゴルがあれほど大きな帝国を築くことができたのか。小さな部族出身のチンギス・ハーンは遊牧民の部族長たちに推されて、1206年にモンゴル帝国を建国する。その理由としていえるのは、チンギス・ハーンの圧倒的なカリスマ性である。遊牧民の君主になるために重要なことを列挙しつつ、チンギス・ハーンの人間的魅力に迫る。(全7話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い

モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題

「世界史はモンゴル帝国から始まった」――この言葉の背景には、日本の「世界史」教育の問題点がある。そもそも日本では明治以後、戦前まで、「(ドイツから見た)西洋史」と「(漢籍ベースの)東洋史」および「国史」(日本史)の3つに分かれていた。戦後日本の世界史教育は、その文壇の影響を色濃く受けて、同時代的に世界を俯瞰することができていない。しかも、それぞれの分野で扱う歴史にも偏重がある。なぜそのようないびつな構造になってしまったのか。世界史を見る重要な視点として、13世紀に地中海文明とシナ文明をつなげたモンゴル帝国の歴史に迫る。(全7話中1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)