元祐昌廣

東京理科大学工学部機械工学科 教授

プロフィール

東京理科大学工学部機械工学科 教授
東京理科大学総合研究院ウォーターフロンティア研究センター センター長

2001年 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 卒業
2006年 慶應義塾大学大学院理工学研究科 博士課程修了 博士(工学)取得
2006年 東京理科大学工学部機械工学科 助手(助教)
2010年 デンマーク工学大学 マイクロ・ナノテクノロジー学科 客員教授
2012年 東京理科大学工学部機械工学科 講師
2015年 東京理科大学工学部機械工学科 准教授
2021年 東京理科大学工学部機械工学科 教授 / 東京理科大学総合研究院ウォーターフロンティア研究センター センター長

専攻:マイクロ・ナノ熱流体工学
研究:狭隘空間の熱流体現象の計測,微小空間でのナノ粒子操作,フレキシブル流体センサ開発,3D血管モデルの血流評価など
受賞:2007年 日本熱物性学会論文賞,
2010年 日本機械学会奨励賞,
2012年 日本伝熱学会奨励賞,
2014年 可視化情報学会奨励賞,
2016年 可視化情報学会技術賞

講義一覧


マルチスケールエンジニアリングによる安心で安全な未来

教養としてのナノテクノロジー(10)界面現象とマイクロ流体システム

ナノメートルスケールの発見をメートルサイズスケールの人間の生活に役立てるには、実用に供するデバイスをつくり出す必要がある。近年、マイクロ流体システムを使用したデバイスの開発により、医療効率が格段に上がることが予想されている。最終話では、マルチスケールエンジニアリングの大切さと、そのことがもたらす安心で安全な未来について解説する。(全10話中第10話)


水滴にみる表面張力の分子起源とその制御について考える

教養としてのナノテクノロジー(9)水とナノテクノロジーの関係

地球を地球たらしめるもの、それが「水」である。水は他の物質と比較してもその性質は特異だ。その理由は、水の熱的性質と強力な表面張力にある。前者はナノスケールで起こる「水素結合」、後者はナノスケールでの制御である「界面活性作用」をそれぞれキーにして、水とナノテクノロジーの関係を考察する。(全10話中第9話)


熱を電気に変える新素材「カーボンナノチューブ」とは何か

教養としてのナノテクノロジー(8)ナノの力で熱を電気に変える

身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながれるIoT時代の到来は、私たちにこれまでにない便利な生活をもたらしてくれる。しかし、それは同時に膨大な量のセンサーや電気エネルギーを必要とするものでもある。そこで注目されるのが、これまで使われていなかった熱を電気に変える「熱エネルギーハーベスティング」と、それを促進する新素材の「カーボンナノチューブ」だ。(全10話中第8話)


マルチスケール解析を使うとどんなことが分かるのか

教養としてのナノテクノロジー(7)マルチスケール解析と応用<後編>

マルチスケール解析を使ってどのようなことが分かるのか。水分子の散乱から気泡のマルチスケール構造まで、豊富な応用例をもとにマルチスケール解析の使い方を解説していく。こうした事例から分かるのは、異なるスケール間の現象をつなげていくことによって初めてナノスケールの発見が生かされるということだ。(全10話中第7話)


ノーベル賞を共同受賞した「マルチスケール解析」とは何か

教養としてのナノテクノロジー(6)マルチスケール解析と応用<前編>

2013年にノーベル化学賞を共同受賞した「マルチスケール解析」。量子力学と古典力学を融合させるこの解析を可能にしたのもスーパーコンピュータ「京」の登場、つまりテクノロジーの進化である。異なるスケール間を接続するためのマルチスケール解析とは何か、ナノテクノロジーにおけるその構造を解説する。(全10話中第6話)


燃料電池車、がんの治療などで活用されるナノテクノロジー

教養としてのナノテクノロジー(5)ナノテクノロジーとは何か<後編>

国家ナノテクノロジーイニシアティブでは、ナノスケールで生じる現象やプロセスの根本的理解から社会的側面まで、7つのプログラムが構成されている。これに合わせて日本でもいろいろと動き出しているが、こうした世界的な動きの背景には科学技術の進歩がある。そこで、最近の研究事例から、さまざまなところでナノテクノロジーが使われていることを紹介していく。(全10話中第5話)


ナノテクノロジーを制する者は世界を制する

教養としてのナノテクノロジー(4)ナノテクノロジーとは何か<前編>

最近よく耳にする「ナノテクノロジー」だが、そもそもそれは一体どのような技術のことなのか。クリントン元米国大統領が掲げた「国家ナノテクノロジーイニシアティブ」の計画と目標に着目し、アメリカと日本におけるナノテクノロジーの歴史と、ナノスケールを理解することの重要性について解説する。(全10話中第4話)


ナノテクノロジーを利用する際に求められること

教養としてのナノテクノロジー(3)科学における教養とは何か<後編>

「ナノテクノロジーというすごい技術を手に入れてしまったのだから、教養が必要だ」ということで、重要になってくるのはナノテクノロジーを実際に利用する際、何が求められるのかということだ。そこで、各講師にそれぞれ工学、物理学、化学といった専門分野の立場から、ナノテクノロジーを利用する際のポイントについてお話頂いた。(全10話中第3話)
インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


水はナノの世界から理解していかなければいけない命題

教養としてのナノテクノロジー(2)科学における教養とは何か<中編>

無限の可能性を秘めたナノテクノロジーは、学問体系をも再構成するほどの力を持っている。なぜなら、そこでは特定の分野を超えて物事を考えていくことが求められるからだ。その好例になるのが、「水」である。われわれにとって最も身近でありながら、科学的に最も謎の多いその物質は、マルチスケールに考えることの重要性を教えてくれる。(全10話中第2話)
インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


人類に課せられたナノテクノロジーの使命と教養の重要性

教養としてのナノテクノロジー(1)科学における教養とは何か<前編>

ナノテクノロジーの発明によって、人類は自由自在に物質をつくり出したり、その性質を変えることが可能になりつつある。これまでにないほど高度な技術を手に入れようとしている今だからこそ、科学における教養の重要性を考えることが必要とされている。そこで、科学における教養とは何か、またナノテクノロジーが持つ現代的意味について、松本洋一郎先生、山本貴博先生、由井宏治先生、元祐昌廣先生に三話にわたってお話を伺った。(全10話中第1話)
インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)