猪瀬直樹

作家/参議院議員

プロフィール

1946年、長野県生まれ。
1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。
以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、
2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。
その戦いを描いた『道路の権力』(文春文庫)に続き『道路の決着』(文春文庫)が刊行された。
2006年10月、東京工業大学特任教授、
2007年6月、東京都副知事に任命される。
2012年12月、東京都知事に就任。
2013年12月、辞任。
2015年12月、大阪府・市特別顧問就任。
2022年7月、参議院議員。

講義一覧


産業革命以来の新しい産業革命が到来、必要なのは意識革命

カーボンニュートラル革命と日本の未来(3)クルマの概念と環境意識を変える

電気自動車の優れた点は、CO2排出量の削減にとどまらない。実際にテスラのEVに乗ってみると、クルマの概念を変えるさまざまな違いに気づかされる。避けられないEV化の流れの中で日本の課題は、自動車産業が抱える雇用の問題と、遅れた環境意識にどう取り組むかという点にある。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


日本のEV普及はなぜ遅れた?トヨタが踏み切れなかった理由

カーボンニュートラル革命と日本の未来(2)取り残される日本の自動車産業

巨大な自動車産業を抱える日本において、EVの普及が遅れている。なぜトヨタはEVに踏み切るのが遅れてしまったのか。そこには、トヨタだけではなく、われわれ消費者側の環境意識にも原因がある。企業においても、環境へ配慮した取り組みは経営戦略の中核的要素になっており、国全体として環境意識を高めていくことが求められている。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


カーボンニュートラル革命が今、ビジネス世界で起きている

カーボンニュートラル革命と日本の未来(1)EVの普及と日本の現実

今や環境問題は国際的に取り組むべき課題となっており、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の動きが注目されている。その取り組みの一つとして、従来のガソリン車よりCO2排出量を大幅に削減できるEV(電気自動車)への移行がある。中国とドイツがEV販売台数トップクラスに躍り出た背景には何があったのか。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは

『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』

猪瀬直樹氏が、自身が書いた『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』の現代的な意味について語る。1983年に出版された『昭和16年夏の敗戦』は、昭和16年当時に日本の若き俊英たちが、3~4年後の日本の敗戦を正確にシミュレーションしていたのに、それが活かされなかった悲劇を描き、ロングセラーとして大きな影響を与え続けている。また『昭和23年冬の暗号』は、東京裁判で戦犯として裁かれた東條英機たちが、あえて当時の皇太子殿下(現在の上皇陛下)の誕生日に戦犯を処刑された内幕に迫り、「歴史的存在」としての人間の姿を描き出した。この2冊は、現代日本人に何を訴えかけるのか。
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


成功する祝祭―日本人の美しい心ばえや道義を示す五輪に

東京五輪を考える(3)「不正」を乗り越え「道義」を示せ

オリンピック招致活動において、「IOC委員にお金を渡したのではないか」という疑惑が噴出した。だが猪瀬氏の実感では、招致活動のルールは厳しく、非常にフェアにことを進めたという。はたして、裏側で何が起きていたのか。さらにオリンピックを語るときに、その「祝祭性」をどう考えるかは欠かせない視点である。しかし、2021年5月から6月にかけて、「来日する選手や関係者が、新型コロナウイルスをうつすのではないか」ということばかりが、マスコミなどで騒がれた。それは「道義」ある態度といえるのだろうか? 五輪を考えるときに、本当に大切なこととは何か。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


スポーツで健康寿命を延ばす…なぜ意義が語られないのか

東京五輪を考える(2)東京開催の意義と「失敗の本質」

猪瀬氏は、オリンピック招致にあたって、「スポーツで健康寿命を延ばす」というビジョンを打ち出した。現在、日本では男性も女性も、平均寿命と健康寿命とで10年もの差がある。つまりそれだけの期間、車椅子になったり、寝たきりになったりしてしまう人が多いということだ。スポーツによって健康寿命を延ばすことができれば、少子高齢化社会を幸せな社会にできるし、医療費や介護費の膨張も防ぐことができる。さらに、公約したように「お金のかからない五輪」にするために、当時、トヨタ自動車の名誉会長で日本体育協会会長だった張富士夫氏に組織委員会の会長を引き受けてもらおうと考えていた。ところが……。失敗の本質がどこにあったのか、なぜマイナスな側面ばかりに光が当てられることになってしまったのかを明かす。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)


選手の活躍でオリンピックへの支持が高まるのは健全なこと

東京五輪を考える(1)人の意識は変わっていく

オリンピック招致活動を進めた猪瀬直樹氏に、東京五輪の意義や、五輪への考え方を問う。2021年5月半ば、『朝日新聞』は《朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、東京五輪・パラリンピックの開催をどうするのがよいかを3択で聞くと、「中止」が最も多く43%、「再び延期」が40%、「今夏に開催」は14%にとどまった》と報じ、「反対派が80%以上だ」という声が高まった。これをどのように考えるべきなのか。議論は、人の意識の問題から、新型コロナ対策や商業主義批判への考え方、さらに、あるべきオリンピックの姿にまで及ぶ。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)