野本由紀夫

玉川大学芸術学部芸術教育学科 教授

プロフィール

1986年、東京藝術大学音楽学部卒業。
1989年、東京藝術大学大学院研究科(修士課程)修了。
1990年~1993年、ドイツ学術交流会(DAAD)奨学金により、ハンブルク大学博士課程に留学。
1993~2001年、桐朋学園大学音楽学部に勤務。
2001~2003年、音楽評論家として活動。
2003年より、玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科非常勤講師、メディア・アーツ学科助教授、同学科教授を経て、2014年より芸術教育学科教授。

また、日本音楽学会選出役員。
全日本ピアノ指導者協会 (PTNA)正会員。
新潟県音楽コンクール審査委員長。
日本演奏連盟正会員(指揮者)。
NHK-Eテレ「ららら♪クラシック」のららら委員長を務めるなどテレビにも数多く出演している。

NHK放送センター長特賞受賞(2011年)。

著書に、
『クラシック名曲のワケ:音楽授業に生かすアナリーゼ』
『はじめてのオーケストラ・スコア』(以上、音楽之友社)、
『クラシックの名曲解剖』
『NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス』(以上、ナツメ社)、
『リスト原典版楽譜』(全音楽譜出版社より7冊)など多数。

講義一覧


ピアノの歴史は江戸時代に始まった

ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ

西洋音楽史を、ピアノ演奏を交えながら解説いただく画期的な試み。しかし実際にピアノが楽器として確立したのは案外新しい。第1回では、なじみ深いヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「四季」について、ピアノの音で再現しながらの解説を進めていただく。(全11話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


交響曲の父でありオーケストラの父でもあったハイドン

ピアノでたどる西洋音楽史(2)ハイドンとオーケストラ

ヴィヴァルディやバッハのバロック時代を経て、18世紀の半ばから音楽は「古典派」の時代を迎える。交響曲の父ハイドンにより、オーケストラの基本的な編成や楽曲の形式が定められていく。初期オーケストラのかたちはどんなものだったのだろう。(全11話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


交響曲より「オペラ」を重視したモーツァルト

ピアノでたどる西洋音楽史(3)モーツァルトとオペラ

交響曲の父ハイドンが尊敬してやまなかったのは、親子ほど年下の天才モーツァルトだった。宮廷への「就活」に失敗したモーツァルトは金を生む卵としてオペラやピアノ協奏曲の楽譜を大切にし、交響曲は軽視したという。一体どういうわけなのか(全11話中第3話)。
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


きれいなメロディをパッと思いついてしまう天才

ピアノでたどる西洋音楽史(4)モーツァルトの天才性とは?

5歳で作曲デビュー、天才児の名をほしいままにしたモーツァルトは、音楽によって人を楽しませることを最大使命とした。オペラや交響曲に惜しみなく注ぎ込まれたメロディライン。「こんな発想はなかなかできない」というようなことを、パッと思いついてしまうのがモーツァルトだった。(全11話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


音楽家を「職人」から「芸術家」に劇的に変えた楽聖

ピアノでたどる西洋音楽史(5)「芸術家」ベートーヴェンの凄さ

楽聖ベートーヴェンの存在は、フランス革命を抜きには語れない。また、音楽を娯楽から芸術の地位に高め、音楽家を職人から芸術家へ、歌中心だった楽曲を器楽中心に発展させるなど、音楽史上に数々の革命的変化をもたらしたのも彼の功績だ。(全11話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


「運命」交響曲と「田園」交響曲が拓いた世界

ピアノでたどる西洋音楽史(6)ベートーヴェンの作曲技法

ベートーヴェンの交響曲の中で最も有名なのは第5番「運命」だろう。この曲の素晴らしさは「ジャジャジャジャーン」にこだわり抜いたベートーヴェンの作曲術にあるという。そして、その対極の双子と呼ばれる第6番「田園交響曲」がまた別の世界を拓いていく。(全11話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


自由・平等・博愛の理想を歌う「第九」の秘密と仕組み

ピアノでたどる西洋音楽史(7)現代に生きる「第九」

日本では年末の風物詩になって久しいベートーヴェン第九だが、そのメッセージは「自由・平等・博愛」というフランス革命の理想そのものだ。ベルリンの壁崩壊直後の演奏会では東西の演奏者が同じ舞台に上がり、「世界はひとつ」を実演して見せた。(全11話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


交響詩:「音楽+詩」で伝わる劇的なメッセージ

ピアノでたどる西洋音楽史(10)リストと交響詩

ピアノの魔術師として有名なリストも、ベートーヴェンを継ぐロマン派の一員だった。彼は「交響詩」という形式を発明し、メッセージのこもった音楽が国境を越えてより広く伝わることを願った。その成果はスメタナの「モルダウ」に明らかだ。(全11話中第10話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


パクリ上等で、ベートーヴェンの絶対音楽の継承者に

ピアノでたどる西洋音楽史(8)絶対音楽とブラームス

音楽に一大革命を起こしたベートーヴェンの後、ロマン派の作曲家たちは、どのように作曲と向き合っていったのだろうか。今回は、「ドイツ三大B」とも呼ばれ、ベートーヴェンの「絶対音楽」を忠実に継承しようとしたブラームスの場合を取り上げる。(全11話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


ドビュッシーとマーラー:音楽の多様化と爛熟

ピアノでたどる西洋音楽史(11)19世紀後半から20世紀へ

ベートーヴェンの影響も絶大だったが、ワーグナーの影響力もそれに引けを取らない濃厚さがあった。最終回はドビュッシーやマーラーなど、19世紀後半から20世紀にかけて新しい流れをつくっていった音楽家の業績を追う。(全11話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)


ベルリオーズとワーグナー:メロディーに人物や物語を象徴させる大革命

ピアノでたどる西洋音楽史(9)いかに音楽で物語を描くか

ベートーヴェンを継いだロマン派のうち、田園交響曲の感情表現を重視した一派は「標題音楽」の流れを生む。ベルリオーズの「幻想交響曲」からワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」への変化は、音楽家の何を表していたのだろうか。(全11話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)