島宗理

法政大学文学部心理学科教授

プロフィール

<略歴>
1964年生まれ。

千葉大学文学部行動科学科で実験的行動分析学を学んだ後、慶應義塾大学社会学研究科に入学し、応用行動分析学を学ぶ。
1989年より Western Michigan University へ留学し、組織行動マネジメントを学び、1992年にPh.D.を取得して帰国。
1995年に鳴門教育大学へ。
学校教育研究センター及び高度情報研究教育センター助教授を経て、2006年より法政大学文学部心理学科に着任。

専門は行動分析学。

著書に
『パフォーマンス・マネジメント-問題解決のための行動分析学-』(米田出版)、
『行動分析学入門』(産業図書)、
『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか-素朴な疑問から考える「行動の原因」-』 (光文社新書)、
『使える行動分析学-じぶん実験のすすめ-』(ちくま新書)、
『部下を育てる! 強いチームをつくる! -リーダーのための行動分析学入門-』(日本実業出版社)、
『応用行動分析学-ヒューマンサービスを改善する行動科学-』(新曜社、近刊)など。

愛犬と暮らし、趣味はテニス。

講義一覧


「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性

人間の行動の「なぜ」を読み解くための「行動分析学」について解説するシリーズレクチャー。第1話では、島宗理氏が「なぜ人は部屋を片付けられないのか」というテーマで、行動分析学の基本的な考え方を論じていく。私たちは人間の行動を性格や能力、態度などで説明しがちだが、そうすると「個人攻撃の罠」や「循環論」に陥ってしまうという。それはいったいどういうことなのか。(全7話中第1話)


「ABC分析」という手法から仮説・実験・検証を行う

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(2)ABC分析

行動分析学では、行動と環境の関係性が行動を変える要因となると考える。その関係性により、行動は強化されるか消去されるかが変わってくる。それを分析する手法が「ABC分析」だ。島宗理氏が、ある学生が「なぜ服が片付けられないのか」ということをテーマに行った自分実験を例に、ABC分析でどのような仮説を立て、実験、検証を行うかを解説する。(全7話中第2話)


「行動分析学」という心理学の面白いポイントとは

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(3)時空間分析

行動分析学という心理学の面白いポイントは、どんな行動でも「ABC分析」など同じ方法論でほとんど全てにアプローチできるところだと島宗理氏は言う。今回、そのことを「時空間分析」によって示しているが、はたしてそれはどのようなものなのか。(全7話中第3話)


三日坊主で達成できないという問題には二つ要因がある

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(4)三日坊主

目標をたてても三日坊主になり達成できないという問題を多くの人が持っているはずだ。島宗理氏は、人間は動物と違って言語を持っているため、長期的な目標に向かって行動できる生物だが、そこに落とし穴があるという。目標の達成を阻害する要因は、「ちりも積もれば山となる型」と「天災は忘れた頃にやってくる型」という2つに大別できる。(全7話中第4話)


「行動コスト」に注目することで、行動は変えられる

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(5)行動コスト

目標を立ててもなかなか実行できないという問題に対して、行動分析学ではどのような方法が考えられるのか。その一例として行動したことを記録に残すのもよいのだが、島宗氏は少し環境を変えるという簡単な方法で、行動は変えられるという。そこでポイントとなるのが「行動コスト」と呼ばれるもので、自身が行ったウクレレの練習を例に説明する。(全7話中第5話)


「見える化」による行動の理解と変容が行動分析学の核

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(6)見える化

行動分析学では、行動と環境の関係性から「見える化」を非常に重視する。それによって行動への理解を深め、行動変容の手続きを見つけやすくする。人間の行動は主に3つのパターンで分類できるが、そのうち最も大事なのは「螺旋型」だ。これは、少しずつ着実な変化を生み改善をしていくというパターンで、そのための仕組みづくりがポイントとなる。(全7話中第6話)


行動分析学は平均的な人ではなく実際の人の行動を研究する

人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(7)心理学の罠

人の行動と環境の関係性を見る際に気をつけてほしいのは「心理学の罠」だ。心理学の罠とは、行動の理由を能力や性格のせいにしてしまう「個人攻撃の罠」の一種だが、なぜその罠に陥ってしまうのか。平均的人間像としてつくられる概念との違いも含め、解説する。(全7話中第7話)