池谷浩

山梨県富士山科学研究所 客員研究員/農学博士

プロフィール

1943年栃木県生まれ。
政策研究大学院大学特任教授。
京都大学農学部卒業後、旧建設省(現 国土交通省)砂防部火山・土石流対策官、砂防部砂防課長、部長を歴任後、筑波大学大学院農学研究科、東京大学大学院農学生命科学研究科講師、財団法人 砂防・地すべり技術センター理事長等を経て現職。

砂防界の第一人者であり、新潟県中越地震や福岡県西方沖地震などの地震災害や、コロンビアのネバド・デル・ルイス火山災害など、世界各地で数多くの災害を調査・研究。
自然現象の分析のみならず、防災意識や災害観、被災生活や復興へのプロセス等にまで研究を広げている。

主な著書に、「砂防入門」(山海堂)「土石流災害」(岩波新書)「火山災害」(中公新書)など多数。

講義一覧


日本で頻繁に土砂災害が起こる理由とは?

土砂災害と防災(1)なぜ土砂災害は多発するのか

平成30(2018)年に全国で起きた土砂災害は3,459件で、国土交通省が集計を開始した昭和57(1982)年以来過去最多と発表された。この数字は例年の平均件数(1,015)の約3.4倍を数えるもので、死者・行方不明者数も集計開始以降3位を記録している。なぜこれほど土砂災害は多発するのか。日本の国土と気象の特徴から考えていく。(全3話中第1話)


土砂災害は「まさか」という場所で起こりうる

土砂災害と防災(2)土砂災害の実態

土砂災害の特徴は、多様な原因によって多様な事象が発生することである。近年では、流木により川の流れが変わり、それまで想定しなかった区域がハザードゾーンになる例も多い。社会的側面として、高齢化の進行も災害を拡大する要因となっている。第2話では、近年の事例を中心に土砂災害の種類と実態を見ていく。(全3話中第2話)


土砂災害における地域全体を守る対策と人命特化の対策

土砂災害と防災(3)土砂災害から命をまもるために

シリーズ第3回では、土砂災害から命をまもるために行政が行うハード・ソフト両面の対策を概観していく。特に「避難」を行う主役は、そこに住む住民に他ならない。日頃からいざというときのことを想定し、避難勧告や準備の通達が出されたら、空振りを恐れず移動を行いたい。(全3話中第3話)